こんにちは、ほむら行政書士事務所の石川です。
医薬品卸売販売業で分割販売はできるの?
という問いに関する回答を行っていきたいと思います。
お客さまから、箱単位ではなく少量のみが欲しいと言われたがそもそも法令上問題ないのか不安かと思います。
本記事では法令の根拠及び行政の資料などから医薬品卸売販売業での分割販売について解説していきます。
【この記事で分かる主なこと】
行政の資料などを引用しポイントをまとめた記事構成にしています。


【この記事の執筆者】
- 事務所名:ほむら行政書士事務所
- 代表者:石川翔梧(イシカワショウゴ)
- 愛知県行政書士会所属
- 登録番号:第26192102号
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医薬品卸売販売業で分割販売ができる根拠
結論からお話しすると、医薬品卸売販売業にて分割販売は禁止されておりません。
その根拠について、法令の側面からと行政資料の側面から解説していきたいと思います。
法令より
少し話はそれますが、医薬品の販売形態に「配置販売業」というものがありますね。
医薬品配置販売業については、薬機法第37条2項にて明確に分割販売が禁止されています。
引用してみますと、
配置販売業者は、医薬品の直接の容器又は直接の被包(内袋を含まない。第五十四条及び第五十七条第一項を除き、以下同じ。)を開き、その医薬品を分割販売してはならない。
薬機法第37条 2項
一方で、卸売販売業(薬機法第34条〜第36条)には分割販売を直接禁止する規定が存在しません。
そのため、薬局や病院、診療所などの顧客から「必要な分だけ小分けしてほしい」という求めに応じて、その都度分割して販売する行為は、適法な卸売販売の範囲内として認められています。
また、後述する東京都の作成している資料からも問題のないことが読み取れます。
行政資料より
次に行政の資料も確認してみましょう。
以下の資料は東京都福祉保健局の作成したものを一部抜粋したものになりますが、分割販売自体は問題の無いことが読み取れます。
詳細はリンク先にてご確認ください。
東京都福祉保健局 医薬品の適正な流通の確保 その1 p7 東京都福祉保健局資料抜粋①
東京都福祉保健局 医薬品の適正な流通の確保 その1 p7 東京都福祉保健局資料抜粋②
医薬品卸売販売業で分割販売をする注意点
医薬品の卸売販売業で分割販売をするうえで注意する点を解説します。
先ほど引用した資料内にも記載がありますが、それらの内容をあらためてまとめます。
「製造行為」にならないように注意すること
まず注意が必要な点としては「製造行為」に該当しないように注意することです。
分割販売を行ううえで重要なことは「お客さんからの求めに応じて分割する」ということです。
あらかじめ「小分け」した場合、それは「製造行為」とみなされる可能性があります。
この製造行為に該当する場合は別途医薬品の製造業許可が必要となるため、分割の仕方には十分注意してください。
・分割販売(OK):顧客からの「具体的な注文・求め」を受けてから、その都度小分けして販売する。
・製造行為(NG):注文が入る前に、あらかじめ小分けや詰め替えを行って在庫として保管しておく。
分割した医薬品にも適正に表示を行うこと
分割した医薬品をそのまま販売してはいけません。
その医薬品に応じた表示(成分や使用方法)などを行う必要があり、さらに分割販売の場合は開封日も記録しておくことが望ましいとされています。
東京都の資料から分かるとおり、表示に関する規制は以下の条文から構成されているため必ず確認しましょう。
条文の量が多いためそれぞれの条文へのリンクとしています。
主な表示項目としては以下のようなものが挙げられます。
【主な表示項目】
- 医薬品の名称(販売名)
- 製造販売業者の名称および住所
- 製造番号(ロット番号)
- 使用期限
- 重量・容量または数量
- 開封日(実務上、管理のため記録・記載することが推奨されます)
取扱環境の衛生管理を徹底すること
一度医薬品の容器を開封するため、品質劣化や異物混入を防ぐ衛生的な環境管理が不可欠です。
法令上で分割作業専用の構造設備基準が細かく定められているわけではありませんが、自治体によっては指導基準を設けている場合もありますので、事前に管轄の保健所や薬務課へ確認することをおすすめします。
医薬品卸売販売業で分割販売の利益は?
小分け販売自体のニーズはあるようですが、分割する手間と利益を考慮した場合収益性が低い、もしくは赤字になるようなこともあるらしく多くの事業者が撤退しているようです。
これから卸売販売業で分割販売を検討している事業者さまはビジネスモデルの構築をかなり練った方がよいかと思われます。
こちらの企業のインタビュー記事が参考になるかと。

医薬品卸売販売業で分割販売はできる?根拠をもとに解説します
- 医薬品卸売販売業で分割販売自体はできる
- 製造行為にならない、適切な表示など分割販売での注意点がある
- 分割販売の利益は低いらしいためビジネスモデル構築は一考する必要あり
医薬品卸売販売業で分割販売できるかどうか、その注意点などについて解説しました。
分割販売自体はできますが、分割販売特有の注意点があったり、利益率が低いなど課題は多いみたいです。
“分割販売”という枠組みに追加で許可は必要ありませんが、医薬品卸売販売業には許可が必要になります。
これから医薬品卸売販売業をご検討の方は当事務所へご相談ください。



