こんにちは、ほむら行政書士事務所の石川です。
体外診断用医薬品販売業へ参入しようと考えたとき、次のような壁にぶつかっていませんか。
- 「体外診断用医薬品を販売したいが、許可の種類がわからない」
- 「ネットで検索しても『体外診断用医薬品販売業』という許可が見当たらない」
- 「どの許可を取れば適法に販売できるのか、行政のホームページを見ても複雑で理解できない」
- 「無許可で販売してしまい、重いペナルティを受けるのは絶対に避けたい」
結論から言うと、法律上、「体外診断用医薬品販売業」という独立した名前の許可は存在しません。
体外診断用医薬品を取り扱うためには、別の枠組みの許可を取得する必要があります。
この記事では、体外診断用医薬品を販売するための許可などを解説します。

【この記事の執筆者】
- 事務所名:ほむら行政書士事務所
- 代表者:石川翔梧(イシカワショウゴ)
- 愛知県行政書士会所属
- 登録番号:第26192102号
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体外診断用医薬品の販売は「医薬品販売業」や「薬局」の枠組みに含まれる

冒頭でもお話ししましたが、体外診断用医薬品販売業という許可は存在しません。
体外診断用医薬品を販売するためには、「医薬品販売業」の許可、または「薬局開設許可」を取得する必要があります。
なぜなら、体外診断用医薬品は法律上、医薬品のカテゴリーに内包されているからです。
まずはこの大前提をしっかりと押さえておきましょう。
これからビジネスを始める上で、自社が取り扱う製品が法律のどのカテゴリーに属するのかを正確に把握することは非常に重要です。
体外診断用医薬品も「医薬品」の一種であるため
体外診断用医薬品は、上記の条文のうち、第二号に該当します。
つまり、「人又は動物の疾病の診断」に使用されることが目的とされた物であるため、立派な医薬品として扱われるわけです。
風邪薬や胃腸薬といった一般的な治療薬とは用途が異なります。
人体に直接投与するわけではなく、採取した血液や尿などに対して使用するものです。
それでも、診断結果が医療行為に直結するため、法律上は厳格な医薬品としての規制を受けます。
したがって、これらを販売するには、当然に医薬品販売業や薬局のルールに従う必要があるのです。
販売業の許可は『医薬品』の枠組みになるが、製造販売業や製造業は『体外診断用医薬品』として独立している
薬機法の許可手続きにおいて、最も多くの人がつまずくのが「製造販売業」と「販売業」の混同です。
言葉が似ているため誤解されがちですが、法的性質や枠組みは全く異なります。
この違いを正しく理解しておかないと、必要のない許可を取ろうとして時間とコストを無駄にしてしまいます。
以下のポイントで明確に区別してください。
- 販売業とは
-
- すでに適法に市場に出荷された製品を仕入れて、顧客に流通させるための許可。
- 前述の通り、体外診断用医薬品の販売は「医薬品販売業」の枠組み等に含まれる。
- 製造販売業・製造業とは
-
- 製品を市場に出荷する「元締め」の責任を負うための許可や、実際に製品を作るための登録。
- 販売業とは異なり、「体外診断用医薬品製造販売業」や「体外診断用医薬品製造業」という独立した制度が存在。
- 品質管理や安全管理の基準(QMS、GVPなど)を満たす必要がある。
つまり、他社が作って出荷した製品を販売するだけであれば、「販売業」等の許可だけで十分です。
一方で、自社ブランド製品を販売するビジネスモデルを描いている場合は、体外診断用医薬品としての「製造販売業」等の許可が必要になります。
無許可販売のリスクとペナルティ
必要な許可を取得せずに体外診断用医薬品を販売した場合、重いペナルティが課されます。
法律を知らなかったという言い訳は、通用しません。
無許可販売が発覚した場合、次のようなリスクを背負うことになります。
- 刑事罰の適用
-
- 拘禁刑や高額な罰金刑が科される可能性。
- 個人だけでなく、法人に対しても罰金が科される両罰規定が存在。
- 行政による指導と処分
-
- 製品の回収命令や、事業の停止命令を受ける可能性。
- 社会的信用の失墜
-
- 違法行為を行う企業として、取引先からの信用の失墜。
- 企業のイメージ低下。
このように、無許可でのビジネス展開は、企業を倒産の危機に追い込むほどの破壊力を持っています。
安全かつ持続可能な事業を構築するためには、適切な許可の取得が絶対条件となります。
体外診断用医薬品の販売に必要な許可は?

体外診断用医薬品を販売するためには、大きく分けて『薬局開設許可』を取得するか、以下の3つの『医薬品販売業の許可』のいずれかを取得する必要があります。
ビジネスの形態に合わせて、これらの許可の中から適切なものを選択しなければなりません。
それぞれの特徴を簡単にご紹介します。
薬局開設許可
- 薬局開設許可
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- 薬剤師が常駐し、医師の処方箋に基づく調剤を行う施設としての許可
- 調剤だけでなく、一般消費者に対して医薬品を販売することも可能。
- 一般用検査薬に加えて、医療用の体外診断用医薬品(薬局医薬品)も販売できる。

医薬品販売業の許可
- 店舗販売業
-
- 一般の消費者に対して、店舗で要指導医薬品又は一般用医薬品を販売する形態。
- 販売できるのは一般用検査薬として承認された体外診断用医薬品に限られ、医療用の製品は販売不可。
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-
- 消費者の家庭を訪問し、医薬品を配置して、後日使用した分の代金を回収する形態。
- いわゆる「置き薬」のビジネスモデル。
- 体外診断用医薬品の販売において、この許可が使われるケースは稀。
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- 薬局、医療機関、他の医薬品販売業者などに対して医薬品を販売する形態。
- BtoB(企業間取引)を前提とした許可。
- 医療機関向けに体外診断用医薬品を販売する場合、大半の企業がこの許可を取得する。
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自社が「誰に」「どのように」販売したいのかによって、取得すべき許可が変わってきます。
事業計画の段階で、ターゲット層を明確にしておくことが欠かせません。
体外診断用医薬品の販売のためどの許可を取る?
ここまでの解説で、体外診断用医薬品の販売には薬局または医薬品販売業の許可が必要であること、そして製造販売業との違いをご理解いただけたかと思います。
では、実際に自社はどの許可を取得すればよいのでしょうか。
結論から言えば、ビジネスのターゲット(顧客)によって決まります。
事業の方向性を決定づける重要な分岐点ですので、慎重に検討を進めていきましょう。
医療機関に販売するのか、一般消費者に販売するのか
体外診断用医薬品の顧客は、大きく二つに分けられます。
- 病院やクリニック、検査センターなどの「医療関係者」
- ドラッグストアや薬局などを訪れる「一般の消費者」
このどちらをメインターゲットにするかで、ビジネスモデルは全く異なるものになります。
- 医療関係者向けに販売する場合の特徴
-
- 主に取り扱うのは「医療用体外診断用医薬品」
- 専門的な知識を持った医療従事者が使用することを前提。
- 取引金額が大きく、継続的な契約が見込めるメリット。
- この場合、取得すべき許可は「卸売販売業」。
- 一般消費者向けに販売する場合の特徴
-
- 主に取り扱うのは、妊娠検査薬や新型コロナウイルスの抗原検査キットなどの「一般用検査薬」。
- 専門知識のない一般の人でも、安全かつ簡単に判定できる設計
- 「一般用検査薬」のみを販売する場合は「店舗販売業」の許可が必要
- 一方で、一般消費者に対して「医療用の体外診断用医薬品」を販売したい場合は、「薬局開設許可」が必要
現在の市場において、体外診断用医薬品の大半は医療機関向けです。
しかし、セルフメディケーションの推進に伴い、一般消費者向けの市場も拡大しています。
自社がどの市場で勝負するのか、競合他社の動向も含めてリサーチを行ってください。
体外診断用医薬品の販売業許可に関する質問
体外診断用医薬品の販売業許可は存在しない!じゃあなんの許可を取ればいい?のまとめ
- 「体外診断用医薬品販売業」という名称の許可は存在しない。
- 体外診断用医薬品は法律上「医薬品」であるため、「医薬品販売業」や「薬局」の許可が必要となる。
- 製品を市場に出荷する「製造販売業」は独立した許可となるため、「販売業」と混同しないよう注意が必要
- 無許可販売は、懲役や罰金などの重いペナルティが科される違法行為
- 販売先のターゲットによって「卸売販売業」「店舗販売業」「薬局開設許可」などを使い分ける
- BtoB(医療機関向け)なら卸売販売業が必要
- BtoC(消費者向け)のうち、一般用検査薬なら店舗販売業、医療用も扱うなら薬局開設許可が必要
「この製品を販売したいけれど、本当にこの許可で合っているのだろうか」 「自社の倉庫は、法律の基準を満たしているのだろうか」
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