こんにちは、ほむら行政書士事務所の石川です。
- 医療機器の修理事業を始めたいが、必要な手続きが分からない
- 医療機器修理業許可の取得要件に困っている
- 自社のスタッフが責任技術者になれるか確認したい
医療機器の修理事業を始めるにあたり、上記のようなお悩みはありませんか。
本記事では、医療機器修理業許可について分かりやすく解説します。
制度の概要から取得に必要な3つの要件、そして申請の流れまでを解説しています。
ぜひ参考にしてください。

【この記事の執筆者】
- 事務所名:ほむら行政書士事務所
- 代表者:石川翔梧(イシカワショウゴ)
- 愛知県行政書士会所属
- 登録番号:第26192102号
化粧品・医療機器の許可申請から広告表現のチェックなど、薬機法関連業務に「特化」。
難解な法律や複雑な行政手続きを分かりやすく噛み砕き、事業者様のリスク回避とスムーズな事業展開をサポートします。
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医療機器修理業許可とは?
許可の名称から分かりやすいですが、許可の名称のとおり医療機器の修理を行うための許可になります。
医薬品や化粧品は使用して終わりのため修理という概念がありませんが、医療器には修理業の許可が存在します。
また、この”修理”については行政通知において定義されておりその内容を解説しますと、
【修理の定義】
- 故障、破損、劣化等の個所を本来の状態・機能に復帰させること(交換やそれに伴うオーバーホール含む)
- 清掃、校正(キャリブレーション)、消耗部品の交換等の保守点検は修理業には含まれない
- 仕様変更のような改造は修理の範囲を超え、製造業が必要となる
こちらの定義については以下の行政通知文書のなかに示されています。
修理業の定義をみたうえで、続いて修理業の区分や要件などについて解説していきます。
医療機器修理業許可の「区分」について
ひとえに修理業といっても、修理する機器の種類によって区分が細かく分かれています。
自社が扱う機器がどの区分に該当するかを正確に把握することが、許可取得の第一歩となります。
ここでは、区分について解説します。
9つの修理区分について
医療機器修理業許可は、対象となる医療機器の特性に応じて9つの修理区分に分類されています。
事業者は、自社が修理を行う予定の機器が該当する区分の許可を正確に取得しなければなりません。
9つの区分と該当する機器の例は以下の通りです。
| 区分 | 名称 | 該当する医療機器の例 |
|---|---|---|
| 第一区分 | 画像診断システム関連 | エックス線装置やMRIなど |
| 第二区分 | 生体現象計測・監視システム関連 | 超音波画像診断装置や心電計など |
| 第三区分 | 治療用・鋼製機器関連 | 手術台、人工呼吸器、心臓ペースメーカーなど |
| 第四区分 | 人工臓器関連 | 人工透析器、人工心肺装置などの内臓機能代用器 (※心臓ペースメーカーを除く) |
| 第五区分 | 光学機器関連 | 眼圧計や内視鏡など |
| 第六区分 | 理学療法用機器関連 | 低周波治療器やマッサージ器など |
| 第七区分 | 歯科用機器関連 | 歯科用の治療台や切削器など |
| 第八区分 | 検体検査用機器関連 | 血液ガス分析装置など |
| 第九区分 | 鋼製器具・家庭用医療機器関連 | 医療用ピンセットなどの鋼製器具、家庭用の電気治療器など |
※注意:心臓ペースメーカーは機能としては人工臓器ですが、修理区分においては『第四区分』ではなく『第三区分』に該当します。
このように、機器の名称やイメージと法律上の区分が異なるケースが多々あるため、自己判断での区分決定は行わず表や自治体に確認しましょう。
- 「高度管理医療機器」や「管理医療機器」といった分類で許可を取るわけではないのでしょうか?
-
修理業の許可においては「高度管理・管理・一般」というリスク(クラス)分類は直接関係しません。
販売業や貸与業ではこれらのクラス分類が手続きの基準となりますが、修理業の場合は上記の表にある9つの修理区分」と後述する「特定保守管理医療機器に該当するかどうか」の組み合わせで許可区分が決定されます。
扱う機器がどれだけリスクの高い高度管理医療機器であっても、修理業の許可上は「特定保守の第○区分」または「非特定保守の第○区分」という形で申請することになります。
特定保守管理医療機器とそれ以外の違い
医療機器は、保守点検の難易度やリスクによって「特定保守管理医療機器」と「それ以外の医療機器(非特定保守管理医療機器)」の2つに分類されます。
特定保守管理医療機器とは、保守点検や修理に専門的な知識と技能が必要な機器を指します。
適正な管理が行われないと疾病の診断や治療に重大な影響を与える恐れがあるため、厚生労働大臣が特別に指定しています。
例えば、X線撮影装置や人工呼吸器などがこれに該当します。
修理業の許可においても、この「特定保守管理医療機器」を扱うかどうかが大きな分かれ道となります
特定保守管理医療機器を修理する場合は、より専門性の高い要件を満たす必要があるのです。
修理業区分のまとめ
修理業の区分についてまとめると、
により、全部で18区分に分かれています。
この区分毎に修理業の許可の取得が必要になってくるため、まずは自社がどの区分の医療機器を修理したいのか確認することが大切になってきます。
医療機器修理業許可の責任技術者などの要件
医療機器修理業許可を取得するためには、大きく分けて以下の要件を満たす必要があります。
ここでは、それぞれの要件について詳しく確認していきましょう。
欠格条項への非該当
申請者(申請者が法人であるときは、薬事に関する業務に責任を有する役員を含む。)が、以下に該当するときは許可等を得ることができません。
- 許可の取り消し履歴
-
薬機法に係わる”許可”(第七十五条第一項の規定)を取り消され、取り消しの日から3年を経過していない者
- 登録の取り消し履歴
-
薬機法に係わる”登録”(第七十五条の二第一項の規定)を取り消され、取り消しの日から3年を経過していない者
- 刑事罰の履歴
-
拘禁刑以上の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなつた後、3年を経過していない者
- 薬事関連法令の違反
-
薬機法、麻薬及び向精神薬取締法、毒物及び劇物取締法その他薬事に関する法令で政令で定めるもの※又はこれに基づく処分に違反し、その違反行為があつた日から2年を経過していない者
- 薬物中毒
-
麻薬、大麻、あへん又は覚醒剤の中毒者
- 心身の障害
-
心身の障害により薬局開設者(又は各種許可業者)の業務を適正に行うことができない者として厚生労働省令で定めるもの
- 知識や経験の不足
-
薬局開設者(又は各種許可業者)の業務を適切に行うことができる知識及び経験を有すると認められない者
※その他薬事に関する法令で政令で定めるもの
- 大麻草の栽培の規制に関する法律
- 覚醒剤取締法
- あへん法
- 安全な血液製剤の安定供給の確保等に関する法律
- 薬剤師法
- 有害物質を含有する家庭用品の規制に関する法律
- 化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律
- 国際的な協力の下に規制薬物に係る不正行為を助長する行為等の防止を図るための麻薬及び向精神薬取締法等の特例等に関する法律
- 独立行政法人医薬品医療機器総合機構法
- 遺伝子組換え生物等の使用等の規制による生物の多様性の確保に関する法律
- 再生医療等の安全性の確保等に関する法律
- 臨床研究法
この欠格条項へ該当していた場合は、責任者の要件や構造の基準をクリアしても許可取得ができなくなるため注意してください。
責任者(責任技術者)の設置
医療機器修理業を行う事業所には、必ず「医療機器修理責任技術者」を設置しなければなりません。
責任技術者は、事業所における修理の作業管理および品質管理を統括する役割を担い、従業員の監督や設備の管理を行い、安全な修理体制を維持することが求められます。
この責任技術者になるためには、後述する資格や実務経験などの要件を満たす必要があります。
責任技術者になるための実務経験と講習要件
責任技術者になるためには、国家資格や特定の学歴は必須ではありません。
実務要件と区分に応じた講習が必要になります。
扱う機器が「特定保守管理医療機器」か「非特定保守管理医療機器」かによって、必要な講習が異なります。
| 扱う医療機器の区分 | 必要な実務経験 | 必要な講習 |
|---|---|---|
| 特定保守管理医療機器 | 医療機器の修理に関する業務に3年以上 | 基礎講習 + 専門講習 |
| 非特定保守管理医療機器 | 基礎講習のみ |
実務経験は、「医療機器の修理に関する業務に3年以上従事した者」であることが求められます。
この実務経験は、自社での経験だけでなく、過去に別の会社で修理業務に携わっていた期間も合算することが可能です。
ただし、実務経験を証明するためには、過去の勤務先などから証明書を発行してもらう必要があります。
これから新規に事業を立ち上げる場合は、実務経験を持つ人材を採用するか、外部から招へいするなどの対策が必要になるでしょう。
実務経験の条件をクリアした上で、厚生労働大臣の登録を受けた機関が実施する講習を受講します。
表の通り、非特定保守管理医療機器のみの修理を行う場合は、基礎講習の修了だけで責任技術者になることが可能です。
一方で、特定保守管理医療機器の修理を行う場合は、基礎講習に加えて、扱う修理区分(第1区分〜第9区分)に応じた専門講習を修了しなければなりません。
専門講習は区分ごとに内容が異なるため、自社が取得したい区分の講習を正確に選択して受講するよう注意してください。
講習の開催日程や定員には限りがあるため、早めに計画を立てて申し込みを行うことをお勧めします。
構造要件のクリア
責任技術者の設置に加え、「構造設備が基準を満たしていること」も重要な要件です。
この構造基準の条文は少ないため以下のとおり引用して紹介します。
薬局等構造設備規則第5条
- 構成部品等及び修理を行つた医療機器を衛生的かつ安全に保管するために必要な設備を有すること。
- 修理を行う医療機器の種類に応じ、構成部品等及び修理を行つた医療機器の試験検査に必要な設備及び器具を備えていること。ただし、当該修理業者の他の試験検査設備又は他の試験検査機関を利用して自己の責任において当該試験検査を行う場合であつて、支障がないと認められるときは、この限りでない。
- 修理を行うのに必要な設備及び器具を備えていること。
- 修理を行う場所は、次に定めるところに適合するものであること。
- 採光、照明及び換気が適切であり、かつ、清潔であること。
- 常時居住する場所及び不潔な場所から明確に区別されていること。
- 作業を行うのに支障のない面積を有すること。
- 防じん、防湿、防虫及び防そのための設備を有すること。ただし、修理を行う医療機器により支障がないと認められる場合は、この限りでない。
- 床は、板張り、コンクリート又はこれらに準ずるものであること。ただし、修理を行う医療機器により作業の性質上やむを得ないと認められる場合は、この限りでない。
- 廃水及び廃棄物の処理に要する設備又は器具を備えていること。
- 作業室内に備える作業台は、作業を円滑かつ適切に行うのに支障のないものであること。
抽象的なものもところどころありますね。
細かな要件は自治体によって異なる場合があるので、それぞれの窓口にお問い合わせしてみましょう。
医療機器修理業の許可なくても修理できる例外について
ここまで修理業の許可について解説しましたが、例外的に修理業の許可が必要ない場合があります。
その例外(特例は)、上記の法令の条文に定めており、内容をまとめると以下のとおりとなります。
- 製造業者が自ら製造する医療機器を修理する場合は修理業許可が不要
- ただし、設計、最終製品の保管区分の製造業では不可
と、なっています。
また、行政通知によって以下の注意が示されています。
以下の場合は、「自らが製造をする品目」に該当しない
- 当該品目に係わる製造販売承認(認証)整理がされている場合
- 製造販売届出について廃止の旨届け出らていいる場合
- 当該品目に係わる(認証・製造販売届出)の品目の製造所欄に当該医療機器製造業者の製造所の記載がない場合
この内容についてもこちらの行政文書にて示されています。
医療機器修理業許可取得までの申請の流れの例
ここからは、実際に許可を取得するまでの流れの例を解説します。
全体的なスケジュールを把握し、計画的に準備を進めましょう。
まずは、事業所を管轄する都道府県の薬務課(扱う機器によっては地方厚生局)の担当窓口に事前相談を行います。
図面を持参し、予定している構造設備が基準を満たしているか確認を受けることが重要です。
責任技術者の実務経験証明や講習の修了証についても、要件を満たしているか事前に見てもらいましょう。
要件を満たしていることが確認できたら、申請書類を作成します。
許可申請書に加え、登記事項証明書、構造設備の概要図、雇用契約書の写しなど、多くの添付書類が必要です。
書類が揃ったら、窓口へ提出し、規定の申請手数料を納付します。
申請書類が受理されると、後日、担当官による事業所の実地調査が行われます。
提出した図面通りに設備が配置されているか、衛生的に保たれているかなどがチェックされます。
改善の指摘があった場合は、速やかに是正して報告しなければなりません。
実地調査をクリアし、審査が完了すると、晴れて医療機器修理業許可証が交付されます。
申請書類の提出から許可証が交付されるまでの標準処理期間は、自治体によって異なりますが、おおむね1ヶ月から2ヶ月程度です。
医療機器修理業許可の取得を行政書士に依頼するメリット

医療機器修理業許可の取得には、複雑な要件の確認や膨大な書類作成が伴います。
自社で手続きを進めることも可能ですが、専門家である行政書士に依頼することで多くのメリットが得られます。
ここでは、行政書士を活用すべき3つの主な理由について解説します。
行政とのお問い合わせ窓口を一本化できる

許可申請においては、都道府県の薬務課など、複数の行政機関とのやり取りが発生することがあります。
行政書士に依頼することで、これらの面倒な問い合わせや折衝の窓口を一本化することが可能です。
担当者様は本業に専念できるため、大幅な業務効率化に繋がります。
事前相談から実地調査の調整まで、スムーズな進行をサポートいたします。
国家資格者として書類作成を代理できる

医療機器修理業許可の申請には、専門的な知識に基づく正確な書類作成が求められます。
行政書士は国家資格者として、これらの申請書類の作成および提出手続きを代理で行うことが法的に認められています。
不備のない書類を準備することで審査の遅延を防ぎ、確実な許可取得を目指すことができます。
要件確認や設備基準のアドバイスを受けられる
責任技術者の資格要件や実務経験の証明、また作業所の構造設備基準など、クリアすべき要件は多岐にわたります。
行政書士であれば、これまでの経験に基づき、自社の状況に合わせた適切なアドバイスを提供できます。
事前に問題を把握し対策を講じることで、手戻りのないスムーズな申請が可能になります。
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※「まだ依頼するか決まっていない段階」のご相談も大歓迎です。
無理な営業は一切しませんのでご安心ください。
ほむら行政書士事務所の料金体系
当事務所の医療機器に関連する料金体系は以下のとおりとなっています。
相談は初回60分無料なっておりますのでお気軽にご相談ください。
| 項目 | 料金(税抜き) |
|---|---|
| 製造販売業(第一種) | 350,000 |
| 製造販売業(第二種) | 300,000 |
| 製造販売業(第三種) | 250,000 |
| QMS・GVP手順書作成サポート | 100,000 |
| 外国製造業者登録 | 要見積もり |
| 輸入確認証 | 要見積もり |
| 製造業 (各工程) | 200,000 |
| QMS手順書作成サポート | 75,000 |
| 品目承認・認証・届出(クラスⅠ~Ⅳ) | 要見積もり |
| 販売業・貸与業 (高度管理医療機器・特定保守管理医療機器) | 200,000 |
| 販売業・貸与業 (管理医療機器) | 150,000 |
| 販売業・貸与業 (管理医療機器(管理者不要品目)) | 75,000 |
| 修理業 (全18区分) | 120,000 |
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医療機器修理業許可に関するよくある質問
医療機器修理業許可の区分は?責任技術者の要件なども合わせて解説のまとめ
- 修理業の区分は機器の種類に応じて、特定保守管理医療機器とそれ以外、さらに9つの区分の全18区分ある
- 事業所ごとに、実務経験と講習修了の要件を満たした「責任技術者」を設置する
- 作業所や保管場所に関する厳しい構造設備の基準をクリアする
医療機器修理業許可は、国民の健康と安全を守るための重要な制度です。
要件が複雑で専門的な知識が求められるため、自社だけで準備を進めると想定以上の時間がかかることがあります。
事業の立ち上げを検討されている方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。


