こんにちは、ほむら行政書士事務所の石川です。
- 特定調剤業務ってなに?
- 特定調剤業務を委託・受託するための条件は?
- 特定調剤業務を行うにあたって整備しておく手順書はある?
などの疑問を持っている方向けの記事となります。
2027年(令和9年)5月の改正にて、調剤業務の一部を外部委託できるようになります。
一部の地域で試験的に運用されていた内容が正式に法令として整備され、今後の薬局運営者の課題を解決すると期待されています。
本記事では、「特定調剤業務」の基本定義から許可要件、整備すべき手順書、受委託のルールまで網羅して解説します。
ぜひ最後までご覧いただき、自局の業務体制構築にお役立てください。

【この記事の執筆者】
- 事務所名:ほむら行政書士事務所
- 代表者:石川翔梧(イシカワショウゴ)
- 愛知県行政書士会所属
- 登録番号:第26192102号
化粧品・医療機器の許可申請から広告表現のチェックなど、薬機法関連業務に「特化」。
難解な法律や複雑な行政手続きを分かりやすく噛み砕き、事業者様のリスク回避とスムーズな事業展開をサポートします。
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特定調剤業務とは?定義から解説
特定調剤業務とは、調剤業務を外部へ委託することを指しており、以下のように定義されます。
薬局開設者は、薬剤及び医薬品の適正な使用に必要な情報の提供及び薬学的知見に基づく指導の質の向上を図るために調剤の業務の効率化を行う必要がある場合は、特定調剤業務(調剤の業務のうち当該業務に著しい影響を与えない定型的な業務として政令で定める業務をいう。)について、厚生労働省令で定めるところにより、厚生労働省令で定める要件を備えている薬局の薬局開設者に委託することができる。
薬機法第9条の5
法第九条の五の政令で定める業務は、次の各号に掲げる医薬品ごとに当該各号に定める業務とする。
薬機法施行令第2条の13
一 その性質上その調製において患者が使用する回ごとに一の被包にあらかじめ封入することが適当であるものとして厚生労働大臣が指定する医薬品 当該医薬品を患者が使用する回ごとに一の被包に封入する業務
二 前号に掲げる医薬品以外の医薬品であつてその性質上その調製において患者が使用する回ごとに同号に掲げる医薬品を封入した被包とあらかじめまとめることが適当であるものとして厚生労働大臣が指定するもの 当該医薬品が同号に掲げる医薬品が記載されている処方箋に記載されている場合においてこれらの医薬品を患者が使用する回ごとにまとめる業務
条文の引用そのままですと見にくいため簡素化して以下のように整理します。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 委託者 | 薬局の開設者 |
| 状況 | 調剤の業務の効率化を行う必要がある場合 |
| どの業務を | 医薬品を患者が使用する回ごとに一の被包に封入する業務 医薬品を患者が使用する回ごとにまとめる業務 |
| 受託者 | 他の薬局開設者 |
簡潔に説明すると「対物」業務を他の薬局へ委託はできるが、「対人」業務は委託は行えません。
この特定調剤業務の導入にあたって、主に「対人」を担う薬局と「対物」を担う薬局で分業が進むことも予想されます。
ただし、特定調剤業務は自由に行えるわけではありません。
委託側・受託側それぞれ特定調剤業務の許可の取得が必要であり、その業務を行うための手順書の整備なども欠かせません。
それでは、特定調剤業務を行うために必要な許可要件などから解説していきます。
特定調剤業務の許可要件
それでは、特定調剤業務を行うための許可要件などを解説していきます。
まず大前提ですが、薬局を開設していることが必要です。
また、委託側と受託側で少し要件が異なるためそれぞれについても解説します。
構造要件のクリア
構造要件において、薬局開設の構造設備に追加して、委託側、受託側それぞれで要求されている事項があります。
- 委託側の薬局
-
特定調剤業務の委託を受ける薬局との間の通信手段その他連絡を行うために必要な設備を有すること。
- 受託側の薬局
-
- 当該薬局が特定調剤業務を委託する薬局との間の通信手段その他連絡を行うために必要な設備を有すること。
- 錠剤分包機を備えていること。
双方が連絡手段を備えていることが必要なことに加え、受託側には錠剤分包機が必要とされています。
体制要件のクリア
委託側・受託側の薬局それぞれが特定調剤業務を行うための手順書を整備する必要があるとされています。
それぞれ、「特定調剤業務委託手順書」「特定調剤業務受託手順書」を整備しなければなりません。
どのような手順書が必要であるかは後述する手順書の項にて解説します。
責任者の設置(受託薬局のみ)
受託側の薬局においては、特定調剤業務を適正に行うための責任者の設置が要求されています。
薬機法施行規則第15条の11の7第4号にて、個別の特定調剤業務に関し責任を有する薬剤師の氏名をが必要であることが明記されています。
しかし、全体的な責任を負う者の要件は法令上記載がありません。
これに関しては今のところ推測にはなりますが、今後行政通知などで「特定調剤業務を適正に行うための責任者」の要件などが発出される可能性があります。
具体的な要件などについては今後の動向を要チェックしたり、管轄の自治体へお問い合わせが必要かと思われます。
特定調剤業務を行うために整備すべき手順書
許可要件の個所で簡単に解説した必要な手順書のついて、どのような手順書が必要とされているか具体的に解説します。
委託側と受託側でそれぞれ定められており以下のとおりとなっています。
手順書が必要ということは共通して、その記録の保管義務などが定められていることにもご留意ください。
特定調剤業務委託手順書
- 受託薬局への特定調剤業務に係る指示に関する手順
- 受託薬局からの特定調剤業務の完了の報告の受領に関する手順
- 特定調剤業務委託の実施中に問題が発生した場合の対応に関する手順
- 特定調剤業務委託に係る記録の作成及び保存に関する手順
- その他特定調剤業務委託を適正かつ円滑に実施するために必要な手順
特定調剤業務受託手順書
- 特定調剤業務を行うための設備の整備に関する手順
- 委託薬局からの特定調剤業務に係る指示の受領に関する手順
- 特定調剤業務の実施に関する手順
- 委託薬局に対する特定調剤業務の完了の報告に関する手順
- 特定調剤業務の実施中に問題が発生した場合の対応に関する手順
- 特定調剤業務の受託に係る記録の作成及び保存に関する手順
- その他特定調剤業務を適正かつ円滑に実施するために必要な手順
特定調剤業務を行う薬局に必要なこと(委託・受託のルールなど)
特定調剤業務は前述で解説したとおり、許可要件を満たさなければ運営できません。
また、許可を取得したからといって、どこの薬局とも特定調剤業務を行えるわけではありません。
ここでは特定調剤業務を行うにあたって注意しておくべき点や、重要な点を3つ抜粋して紹介します。
責任の所在は委託側の薬局
調剤業務を外部に委託したからといって、委託側の薬局はその責任を免れるわけではありません。
薬局開設者は、特定調剤業務委託をしたときは、受託薬局において調剤に従事する薬剤師に、受託薬局から委託薬局に特定調剤業務完了品を送付させ、委託薬局において調剤に従事する薬剤師に、当該特定調剤業務完了品を目視により確認させる方法により、受託薬局による特定調剤業務が適正に行われたことを確認しなければならない。
根拠法令:薬機法施行規則第15条の11の9
特に要点となる部分のみ太字にしました。
このとおり、調剤は外部へ委託してもその最終チェックは委託側の薬局で行わなければいけないとされています。
特定調剤業務を行えるのは同一県内の都道府県のみ
特定調剤業務の許可を取得している薬局同士であればどこでも契約ができるわけではありません。
現時点では、同一の都道府県内でのみ可能とされています。
受委託契約の締結が必須
前述の同一県内の都道府県のみ以外にも特定調剤業務を行うためには要件があります。
法令にて委託契約を締結することが義務付けられています。
その委託契約には以下の内容を定めなければなりません。
- 委託薬局の開設者並びに受託薬局の開設者の責任体制に関する事項
- 委託薬局の開設者及び受託薬局の開設者が遵守すべき事項
- 委託薬局の管理者及び受託薬局の管理者が遵守すべき事項
- その他特定調剤業務の実施に関し必要な事項
許可さえ取得していればOKなわけではなく、許可に追加して委託契約という関係性が必要となります。
特定調剤業務を行うなら行政書士へ相談がおすすめ
2027年5月の改正により導入される特定調剤業務ですが、実際に運用を始めるためには関係法令に基づいた準備と手続きが必要です。
自局の負担を抑えてスムーズかつ安全に業務を開始するためにも、行政書士への相談をおすすめします。
許可要件や構造・体制基準をスムーズに整理できる
特定調剤業務を開始するには、薬局としての基本許可に加えて構造設備要件や体制要件を満たし、都道府県知事等への申請を行う必要があります。
地域や自治体によって審査の基準や事前相談の運用方針が異なるケースもあり、独自で進めると手戻りや確認不足による遅延が生じる恐れがあります。
行政書士に相談することで、自局がどの要件を満たすべきかを明確にし、管轄保健所との事前交渉や条件確認をスムーズに進行できます。
国家資格者として書類作成・申請を代行してもらえる
申請手続きには、多様な提出書類や確認資料の提出が求められます。
行政書士は官公署に提出する書類作成の国家資格者であり、法令に適合した確実な書類作成や代行申請を行うことが可能です。
代行して書類を作成してもらうことで、審査期間の短縮や不許可リスクの低減につながり、安心して許認可取得まで進めることができます。
手順書作成や受委託契約の締結までトータルでサポートを受けられる
特定調剤業務では、「委託手順書」や「受託手順書」の作成・備え付けをはじめ、薬局間での受委託契約の締結が法律で義務付けられています。
行政機関から提示される一般的な雛形を流用するだけでは、万が一の事故やトラブル発生時の責任の所在があいまいになり、自局に思わぬリスクが及ぶ可能性があります。
行政書士であれば、実際の業務フローやリスク管理に合わせた実用的な手順書の策定や契約書作成まで一貫して支援可能です。
ほむら行政書士事務所の料金体系
当事務所の薬局に関連する料金体系は以下のとおりとなっています。
相談は初回60分無料なためお気軽にご相談ください。
| 項目 | 料金(税抜き) |
|---|---|
| 薬局開設 | 200,000 |
| 特定販売届出(通信販売等) | 50,000 |
| 薬局製造販売医薬品 製造販売業・製造業 | 100,000 |
| 特定調剤業務(委託側・受託側)(2027年5月改正事項) | 要見積もり |
| 品目承認 | 要見積もり |
| 地域連携薬局 | 100,000 |
| 専門医療機関連携薬局 | 100,000 |
| 健康増進支援薬局(2027年5月改正事項) | 要見積もり |
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※お見積り後のキャンセルも可能です。
無理な営業は一切いたしませんのでご安心ください。
特定調剤業務に関する質問
特定調剤業務とは?定義や要件、必要な手順書などを解説【まとめ】
- 特定調剤業務は一定の調剤業務を外部へ委託する業務効率化の仕組み
- 薬局開設を前提とした構造設備・体制要件および受託薬局に必要な錠剤分包機と責任者設置が必要
- 委託側と受託側のそれぞれで作成・備え付けが義務付けられている手順書が必要
- 調剤を外部委託しても最終的なチェック義務や責任は委託側薬局が負うという法的仕組み
- 同一都道府県内でのみ実施可能であり薬局間の厳格な受委託契約締結が必須である
特定調剤業務の導入に向けた許可要件の確認や、複雑な手順書・受委託契約書の作成にお困りではありませんか?
ほむら行政書士事務所では、薬機法関連業務に特化した専門家として、管轄保健所等との事前協議から申請手続き、実務に即した書類作成までトータルでサポートいたします。
「自局で導入できるかまず相談したい」といった段階からのご相談も大歓迎ですので、どうぞお気軽にお問い合わせください。

