お問い合わせ・公式LINEはこちらから

医薬品販売業とは?3種類の販売業を理解し必要な準備を整えよう!

当ページのリンクには広告が含まれています。
医薬品販売業とは

こんにちは、ほむら行政書士事務所の石川です。

  • 自社店舗で医薬品の取り扱いを始めたいが、何から手をつければよいか分からない
  • 新規事業でECサイトを使った医薬品販売を展開したいが、ルールが複雑
  • 専門的な法律用語が多く、許可の取得要件が理解できない

この記事では、医薬品販売業の種類や要件、資格の仕組み、申請フローをわかりやすく解説します。

プロフ写真
ほむら行政書士事務所
石川翔梧

【この記事の執筆者

化粧品・医療機器の許可申請から広告表現のチェックなど、薬機法関連業務に「特化」。

難解な法律や複雑な行政手続きを分かりやすく噛み砕き、事業者様のリスク回避とスムーズな事業展開をサポートします。

\お問い合わせは24時間受付中!/

※「まだ依頼するか決まっていない段階」のご相談も大歓迎です。
無理な営業は一切しませんのでご安心ください。

目次

医薬品販売業とは?

根拠条文:薬機法第24条第1項

医薬品販売業とは、その名の通り「医薬品を一般消費者や医療機関、あるいは他の企業に対して販売・授与するビジネス」のことです。

日本では、安全性を確保するため、誰でも自由に医薬品を販売できるわけではありません。薬機法において、以下のように明確な規制が設けられています。

薬機法第24条第1項(抜粋) 薬局開設者又は医薬品の販売業の許可を受けた者でなければ、業として、医薬品を販売し、授与し、又は販売若しくは授与の目的で貯蔵し、若しくは陳列してはならない。

つまり、利益を得る目的(業として)で医薬品を取り扱うためには、国(実務上は都道府県知事や保健所設置市の市長など)から正式な許可を受けることが条件となります。

万が一、無許可で販売を行った場合は、薬機法違反として罰則が科される可能性があるため、法令遵守はビジネスの根幹をなす重要な要素といえるでしょう。

また、インターネット上で医薬品を販売する(特定販売)場合でも、実店舗を持たずにオンラインのみで営業することは認められていません。

必ず実店舗の許可を取得した上で、要件を満たして通信販売を行う仕組みとなっています。

医薬品販売業許可の3つの種類とそれぞれの特徴

根拠条文:薬機法第25条

薬機法では、医薬品の販売業態を以下の3つに分類しています。

(※調剤を行う「薬局」は別途規定されており、薬局を含めた場合は4種類あると言えます。)

それぞれの業態の概要について解説します。

1. 店舗販売業

根拠条文:薬機法第26条

一般消費者に対して、店舗において直接、市販薬(要指導医薬品および一般用医薬品)を販売する業態です。

私たちが普段よく利用するドラッグストアや、スーパーなどの医薬品コーナーがこれに該当します。

  • 主な特徴:
    • 薬剤師または登録販売者を配置することで、その資格に応じたリスク区分の医薬品を販売可能。
    • 事前に管轄の保健所等へ届け出を行い、一定の要件を満たすことで、インターネットや電話を通じた通信販売(特定販売)※を行うことが可能。
    • 処方箋に基づく調剤を行うことはできない。
  • ビジネスモデルの例:ドラッグストア、スーパーやコンビニの医薬品コーナー、ECサイトを通じた医薬品の通信販売など。

※特定要指導医薬品は不可。
要指導医薬品は「オンライン服薬指導」の要件を満たす場合に限り特定販売が可能

2. 配置販売業

根拠条文:薬機法第30条、第31条、第32条、第33条

消費者の家庭や企業を直接訪問し、あらかじめ医薬品の入った箱(配置箱)を預けておき、後日訪問した際に使用した分の代金のみを精算する、日本独自のビジネスモデルです。

いわゆる「置き薬」や「富山の薬売り」として知られています。

  • 主な特徴:
    • 「先用後利(せんようこうり)」という独自のシステムで成立。
    • 一般用医薬品のうち、経年変化が起こりにくいなど、配置販売に適した基準を満たす医薬品のみを取り扱える。
    • 販売員(配置員)は、都道府県知事から身分証明書の交付を受ける必要がある。
  • ビジネスモデルの例:家庭向け配置薬事業、オフィス向け救急箱設置サービスなど。

3. 卸売販売業

根拠条文:薬機法第34条

一般消費者ではなく、薬局や他の医薬品販売業者、病院、診療所などの「プロ(有資格者や許可業者)」に対して医薬品を販売するBtoB(企業間取引)の業態です。

  • 主な特徴:
    • 一般消費者への販売不可。
    • 医療用医薬品(処方薬)から一般用医薬品まで、幅広く流通を担う医療サプライチェーンの要。
    • 巨大な倉庫を持ち、温度管理やロット管理が求められる。
  • ビジネスモデルの例:医薬品総合卸、歯科専門卸、医療ガス販売業者など。

医薬品販売業でインターネット等で医薬品を販売するには?(特定販売のルール)

根拠条文:薬機法第37条第1項、同法施行規則第1条の2第2項、第147条の7等

店舗販売業の許可取得を目指す経営者の多くが、ECサイトを通じたインターネット販売を視野に入れています。

薬機法では、インターネットや電話・カタログなど、実店舗における対面以外の方法で医薬品を販売することを「特定販売」と呼びます。

特定販売を行うためには、ただECサイトを立ち上げればよいわけではなく、ルールを守る必要があります。

特定販売を行うための要件

インターネットで医薬品を販売するためには、大前提として「実店舗(店舗販売業の許可)」(もしくは薬局)が存在し、その店舗で実際に陳列・販売されている医薬品のみを取り扱うことが求められます。

つまり、オンライン専用の無店舗販売は認められておらず、販売方法のひとつと言う位置づけになります。

販売できる医薬品の範囲

第一類医薬品、第二類医薬品、第三類医薬品、要指導医薬品※

情報の掲示義務

ウェブサイト上に、店舗の許可証の内容、勤務する薬剤師・登録販売者の氏名、店舗の写真、営業時間などを明記しなければなりません。

専門家による対応

消費者がインターネット上で医薬品を購入する際、営業時間内であれば薬剤師や登録販売者がいつでも相談に応じられる体制(電話やメール等)を整える必要があります。

※特定要指導医薬品は不可。
要指導医薬品は「オンライン服薬指導」の要件を満たす場合に限り特定販売が可能

特定販売を開始する場合は、店舗販売業の許可申請と同時に、あるいは営業開始後に別途「特定販売に関する届出」を管轄の保健所へ提出することが必要です。

医薬品販売業の許可を取得するための要件

根拠条文:薬機法第26条第4項等

医薬品販売業の許可を取得するためには、薬機法に基づき、大きく分けて「人的要件」と「構造設備要件」「体制要件」などをクリアする必要があります。

ここでは主に最も参入が多い「店舗販売業」を例に挙げます。

人的要件

店舗を適切に管理・運営するため、必ず資格を持った「店舗管理者」を配置しなければなりません。

店舗管理者は、店舗を実地に管理する責任者であり、誰でもなれるわけではなく、取り扱う医薬品のリスク区分に応じた資格や経験が求められます。

店舗管理者になるための資格と要件

店舗管理者になるには、原則として「薬剤師」または「登録販売者」の資格が必要です。

  • 要指導医薬品または第一類医薬品を販売する店舗:原則として「薬剤師」。
  • 第二類・第三類医薬品のみを販売する店舗:「薬剤師」または「一定の要件を満たす登録販売者」。

店舗管理者の重要な役割と義務

店舗管理者には、薬機法に基づく以下の重要な義務が課せられています。

  • 従業員の監督と物品の管理:保健衛生上の支障が生じないよう、店舗に勤務する他の薬剤師や登録販売者、一般従業員を監督し、医薬品や設備を適切に管理する義務。
  • 経営者への意見具申:店舗の業務に関して問題や改善点がある場合、経営者(店舗販売業者)に対して書面で必要な意見を述べる義務。
  • 兼任の原則禁止:店舗管理者は、原則として他の薬局や店舗の店舗管理者と兼任することや、他の場所で薬事に関する実務に従事することはできません(都道府県知事の許可を得た場合を除く)。

また、店舗管理者だけでなく、許可の申請者(法人の場合は業務に責任を有する役員)が、薬機法に規定される「欠格事由」に該当しないことが求められます。

具体的には以下のような内容が含まれます。

  • 過去に許可を取り消され、3年を経過していない者
  • 拘禁刑以上の刑に処せられ、執行を終わり3年を経過していない者
  • 麻薬や大麻などの薬物中毒者
  • 精神の機能の障害により業務を適正に行うことができない者

申請時には、これらの欠格事由に該当しないことを誓約する書類や、場合によっては医師の診断書の提出が求められることがあります。

構造設備要件

医薬品を安全に保管し、適切な環境で販売するために、店舗の構造設備に関する基準が「薬局等構造設備規則」という厚生労働省令で定められています。

照明、換気、清潔さなどの基準

店舗は、購入者が容易に出入りでき、医薬品を販売する場所であることが外観から明らかでなければなりません。具体的な基準の一部を紹介しましょう。

  • 広さの基準:店舗販売業の面積は、おおむね13.2平方メートル以上。
  • 照明の基準:医薬品を陳列、交付する場所は60ルクス以上の明るさ。
  • 衛生面:換気が十分であり、かつ清潔。また、居住区画や不潔な場所から明確に区別されている。
  • 情報提供設備:薬剤師や登録販売者が、購入者に対してプライバシーに配慮しつつ医薬品の情報提供を行うための設備(カウンターなど)の設置。

鍵のかかる保管設備の設置

医薬品の品質劣化を防ぐため、直射日光が当たらず、温度や湿度が適切に保たれる場所(冷暗貯蔵のための設備など)を確保する必要があります。

さらに、盗難やトラブルを防ぐため、「鍵のかかる貯蔵設備」を有することが義務付けられています(※毒薬を取り扱わない場合は例外あり)。

特にリスクの高い医薬品を取り扱う場合、薬機法第48条により「劇薬」及び「毒薬」は他の医薬品と区別して貯蔵・陳列しなければならず、さらに「毒薬」を取り扱う場合には、その場所に鍵を施さなければならない(施錠義務)と厳格に定められています。

医薬品販売業を始めるために必要な資格とは

実店舗で医薬品を販売し、店舗管理者を立てるためには専門資格が欠かせません。

持っている資格によって「販売できる医薬品の範囲」が異なります。

「薬剤師」の役割と取り扱える医薬品の範囲

薬剤師は、薬学の専門知識を持つ国家資格者です。

店舗販売業において薬剤師を店舗管理者などに配置した場合、以下のすべての医薬品を販売することができます。

  • 要指導医薬品
  • 一般用医薬品(第一類医薬品、第二類医薬品、第三類医薬品)

特に要指導医薬品や第一類医薬品の販売には、薬剤師による情報提供が義務付けられています。

薬剤師が不在の時間帯は、要指導医薬品および第一類医薬品を販売することはできず、陳列区画に鍵をかけるなどの措置が必要です。

「登録販売者」の役割と取り扱える医薬品の範囲

登録販売者は、都道府県が実施する試験に合格し、登録を受けた「一般用医薬品販売の専門家」です。

薬剤師不足を背景に、2009年の薬機法改正で誕生した資格です。

  • 一般用医薬品のうち、第二類医薬品と第三類医薬品の販売が可能。(要指導医薬品および第一類医薬品は販売不可)
  • 店舗管理者になる条件:試験合格後、過去5年間のうち通算2年以上の実務経験(または一定の研修を受講した上での1年以上の経験)がある登録販売者であれば、第二類・第三類医薬品のみを扱う店舗の店舗管理者になることができます。

第一類医薬品や要指導医薬品を取り扱わないビジネスモデルであれば、登録販売者を確保することで十分に事業を展開できるでしょう。

無資格の経営者が医薬品販売業を始めるには?

「自社には資格を持つ人間がいないから、医薬品販売は無理だ」と諦める必要はありません。

薬機法上、経営者(法人の代表者など)自身が資格を持っていなくても、適法に事業をスタートさせる道は用意されています。

店舗管理者となる有資格者を雇用する

許可の申請者(経営者)と、店舗を実地に管理する「店舗管理者」は、別々の人物であっても問題ありません。

薬機法において、「店舗販売業者は、その店舗を、自ら実地に管理し、又はその指定する者に実地に管理させなければならない」とされています。

つまり、自社で薬剤師や実務経験を満たす登録販売者を従業員として正社員や契約社員などで雇用し、その者を店舗管理者として選任すれば、無資格の経営者でも店舗販売業の許可を取得し、営業を行うことが可能です。

経営と現場(販売)の役割分担を明確にする

無資格の経営者が事業を行う上で近年特に重視されているのが、「ガバナンス(法令遵守体制)の構築」です。

薬機法の改正により、医薬品販売業者に対するコンプライアンス要件が強化されました。

具体的には、法令遵守のために以下の体制整備が求められます。

  • 店舗管理者の権限の明確化
  • 専門的な意見の尊重(利益追求に偏らず、現場の薬剤師・登録販売者の意見を軽視しない)
  • 文書による改善要求への対応義務(人員増や陳列改善などの意見を尊重し、必要な措置を講じること)

経営者はビジネスの全体戦略や資金調達を担い、現場の医薬品管理や購入者への安全な情報提供は有資格者に一任するという、明確で健全な役割分担を社内規定などで定めておくことが成功の鍵となります。

医薬品販売業の申請から許可取得・営業開始までのフロー例

最後に、実際に医薬品店舗販売業の許可を取得し、ビジネスをスタートさせるまでの一般的な流れを3つのステップで解説します。

STEP
管轄の保健所等への事前相談

店舗の図面や事業計画がある程度固まった段階で、まずは店舗の所在地を管轄する保健所(または都道府県の薬務課)へ事前相談に行きましょう。

店舗の構造設備要件は非常に細かく、工事が終わってから「カウンターの高さが規定と違う」「区画の分け方が不適切」と指摘されてしまうと、大掛かりな手戻り工事が発生し多大なコストと時間をロスしてしまいます。

必ず、内装工事に着手する前の図面段階で、担当官の確認と指導を受けることが最重要ポイントです。

STEP
店舗等の設備工事と人員確保

照明の明るさや、特定販売(インターネット通販)を行う場合はそのための設備(通信機器や出荷用スペース)なども図面通りに整えます。

並行して、店舗管理者となる薬剤師や登録販売者の採用活動も進めます。

申請時には、彼らとの雇用契約書の写しや、資格を証明する書類(薬剤師免許証の写し、販売従事登録証の写しなど)、勤務シフト表等が必要となるため、確実な人員確保が必要です。

STEP
許可申請書の提出と実地検査

店舗の工事が完了し、人員も揃った段階で、必要な添付書類をまとめて保健所に「店舗販売業許可申請書」を提出します。

申請には所定の手数料(数万円程度、自治体により異なる)が必要です。

書類の審査後、保健所の監視員が実際に店舗を訪れ、「実地検査」が行われます。

申請時の図面通りに設備が作られているか、鍵のかかる保管庫があるか、情報提供カウンターが適切かなどが確認されます。

この実地検査に無事合格し、行政内での決裁が完了すると、晴れて「許可証」が交付されます。

許可証が手元に届いて初めて、医薬品を仕入れ、顧客に販売することが可能となります。

おおむね、申請から許可が下りるまでには2週間〜1ヶ月程度の期間を見込んでおく必要があります。

医薬品販売業とは?開業に必要な許可と手続き・要件をわかりやすく解説まとめ

この記事で解説した、医薬品販売業を始めるための重要なポイントは以下の通りです。

  • 販売業態の選択:店舗販売業、配置販売業、卸売販売業の3つから、自社のビジネスモデルに合ったものを選択する(薬機法第25条)。
  • インターネット販売:店舗販売業の許可を取得し、実店舗を用意した上で「特定販売」の届出を行うことでECサイトでの販売が可能。
  • 許可の取得要件:
    • 人的要件:薬剤師や登録販売者などの有資格者を店舗管理者として配置し、欠格事由に該当しないこと。
    • 構造設備要件:薬局等構造設備規則に基づき、広さ(13.2平方メートル以上)、照明、換気、情報提供設備、鍵のかかる保管設備などを整えること。
  • 無資格者の経営:経営者自身が無資格であっても、有資格者を店舗管理者として雇用し、法令遵守の体制(ガバナンス)を構築すれば参入可能。
  • 申請フロー:内装工事前の保健所への事前相談から始め、設備要件と人員要件を満たした上で申請・実地検査を受けること。

要点をかなりかいつまんで解説しました。

実際には行政との調整等で苦慮する場面をあるかと思います。

医薬品販売業許可にあたって、相談したいことがあれお気軽にお問い合わせください。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
目次