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登録受渡業とは?要件や薬局・店舗販売業との関係を解説【2027年(令和9年)5月施行】

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登録受渡業とは

こんにちは、ほむら行政書士事務所の石川です。

  • 医薬品の登録受渡業ってなに?
  • 医薬品の登録受渡業の要件はなに?
  • 薬局や店舗販売業とはどういう関係?

といった疑問をお持ちの方向けの記事となります。

2027年(令和9年)5月20日より施行される薬機法等の改正省令により、「登録受渡業」という新たな制度が導入されます。

本記事では、改正後の制度における登録受渡業の概要や登録(許可)の要件、さらに委託元となる薬局や店舗販売業との関係性について、根拠法令を交えて解説します。

この登録受渡業は薬局・店舗販売業が近隣にない地域での活躍や、夜間体調が悪化した場合に薬を買いに行ける制度として期待されています。

この記事では可能な限りかみ砕いて分かりやすく解説していきますので、ぜひ参考にしてください。

本記事記載の法令の引用等は改正後のものにしています。

プロフ写真
ほむら行政書士事務所
石川翔梧

【この記事の執筆者】

化粧品・医療機器の許可申請から広告表現のチェックなど、薬機法関連業務に「特化」。

難解な法律や複雑な行政手続きを分かりやすく噛み砕き、事業者様のリスク回避とスムーズな事業展開をサポートします。

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目次

登録受渡業とは?定義などを解説

登録受渡業とは、ものすごく簡潔に表現すると「薬の受取専用窓口」です。

それではこの登録受渡業の定義について解説していきます。

この「受渡し」において、薬機法第29条の5第9項に定義されています。まずは引用してみます。

この条において「受渡し」とは、薬局開設者又は店舗販売業者が一般用医薬品を販売し、又は授与する場合において、委託を受けて、その販売し、又は授与しようとする者に対して、当該薬局開設者又は店舗販売業者に代わつて当該一般用医薬品の引渡しを行うことをいう。

薬機法第29条の5第9項

読みやすく分解すると。

項目内容
委託者薬局開設者 又は 店舗販売業者
対象一般用医薬品
状況販売 又は 授与 する場合に委託を受けて
対象者その販売し、又は授与しようとする者に対し(一般消費者に対し)
内容薬局開設者又は店舗販売業者に代わって当該一般用医薬品の引渡しを行うこと

前述のとおり、定義をかみ砕くと「薬の受取専用窓口」であることが分かります。

あくまでも、「受渡し」なのであって「販売」ではありません。

詳しくは後ほど解説しますが、「販売」にあたっての情報提供などの責任は、委託をする薬局や店舗販売業側となります。

なにかしら消費者からの問い合わせがあった場合などは、委託元の薬局や店舗販売業に連絡・相談しなければなりません。

また、定義から分かるとおり、委託元となることができるのは「薬局」と「店舗販売業」であり、「卸売販売業」と「配置販売業」では不可となります。

【登録受渡業の簡単まとめ】

  • 登録受渡業は、販売はできず「受渡し」のみとなる。イメージは「薬の受取専用窓口」
  • 消費者からの問い合わせがあった場合などは、委託元の薬局や店舗販売業に連絡・相談が必要
  • 委託元となることができるのは「薬局」と「店舗販売業」であり、「卸売販売業」と「配置販売業」では不可

それではこれから登録受渡業の登録要件や、薬局・店舗販売業側で必要な対応などについて解説していきます。

登録受渡業(受渡委託)の許可要件(委託側:薬局・店舗販売業)

根拠法令:薬機法第4条第5項、第5条、第26条第6項

まずは登録受渡業(受渡委託)の許可要件を解説していきます。

この登録受渡業を行うためには、委託側の薬局・店舗販売業では、受渡委託委託の許可、後述する受渡を行う場所では登録受渡業の登録が必要になります。

登録受渡業(受渡委託)の許可については、薬局・店舗販売業の許可を得ていることを前提に追加的な要求事項となっています。

受渡管理者の設置

根拠法令:薬機法第29条、薬機法施行規則第147条の22

薬局や店舗販売業において、それぞれ責任者として薬剤師もしくは登録販売者を設置しているかと思います。

同様に登録受渡業(受渡委託)の許可を得るためには責任者(受渡管理者)を設置しなければなりません。

この受渡管理者の要件は薬局・店舗販売業で同じであり、以下のようになっています。

原則
  • 受渡委託により、第一類医薬品を販売し、又は授与する薬局又は店舗 薬剤師
  • 受渡委託により、第二類医薬品又は第三類医薬品を販売し、又は授与する薬局又は店舗 薬剤師又は次のいずれかに該当する登録販売者
    • 過去5年間のうち、薬局、店舗販売業又は配置販売業において一般従事者として薬剤師又は登録販売者の管理及び指導の下に実務に従事した期間及び登録販売者として業務に従事した期間が通算して2年以上の者
    • 過去2年間のうち、従事期間が通算して1年以上であつて、第15条の11の3、第147条の11の3又は第149条の16に定める継続的研修並びに薬局又は店舗の管理及び法令遵守について厚生労働大臣が必要と認める研修を修了した者
    • 従事期間が通算して1年以上であつて、受渡管理者としての業務の経験がある者
例外

前述の原則にかかわらず、第一類医薬品を販売し、又は授与する薬局又は店舗において薬剤師を受渡管理者とすることができない場合には、過去5年間のうち次に掲げる期間が通算して3年以上である登録販売者であつて、その薬局又は店舗において医薬品の販売又は授与に関する業務に従事するものを受渡管理者とすることができる。

  • 第一類医薬品を販売し、若しくは授与する薬局、薬剤師が店舗管理者である第一類医薬品を販売し、若しくは授与する店舗販売業又は薬剤師が区域管理者である第一類医薬品を配置販売する配置販売業において登録販売者として業務に従事した期間
  • 第一類医薬品を販売し、若しくは授与する店舗の店舗管理者又は第一類医薬品を配置販売する区域の区域管理者であつた期間

補佐する者の必要性

受渡委託により第一類医薬品を販売し、又は授与する薬局開設者又は店舗販売業者は、当該薬局又は店舗の受渡管理者が薬剤師でない場合には、受渡管理者を補佐する者として薬剤師を置かなければならない。

概ね既存の店舗販売業の店舗管理者に関する規定に似ていますね。

また、受渡管理者については、他の薬局管理者や店舗管理者との兼務、自局の薬局の管理者や店舗管理者との兼務も原則として、薬機法第29条の6第4項において禁止されています。

構造要件のクリア

構造要件においても、通常の薬局や店舗販売業に追加して要求されている事項があります。

条文は異なりますが、要求されている内容としては薬局、店舗販売業ともに同じ内容になっています。

受渡委託の追加的要求事項
構造要件

根拠法令:薬局等構造設備規則第1条第20項(薬局)、第2条第15項(店舗)

受渡委託をする薬局・店舗にあつては、次に定めるところに適合するものであること。

  • 当該薬局が受渡委託をする登録受渡業者との間の通信手段その他連絡を行うために必要な設備を有すること。
  • 一般用医薬品を購入し、又は譲り受けようとする者との間の通信手段その他販売又は授与時の確認及び情報提供を適切に行うために必要な設備を有すること。
  • 登録受渡店舗において貯蔵する一般用医薬品の管理を遠隔で行うために必要な設備を有すること。
  • 登録受渡店舗において貯蔵する一般用医薬品に関し必要に応じ当該薬局において保管するための設備を有すること。

体制要件のクリア

構造要件同様に体制においても、通常の薬局や店舗販売業に追加して要求されている事項があります。

条文は異なりますが、要求されている内容としては薬局、店舗販売業ともに同じ内容になっています。

受渡委託の追加的要求事項
体制要件

根拠法令:薬局等体制省令第1条第9項(薬局)、第2条第5項(店舗)

受渡委託をする場合にあつては、次に掲げる措置

  • 登録受渡店舗の業務及び登録受渡店舗において貯蔵する一般用医薬品の管理に係る指針の策定並びに当該薬局及び登録受渡店舗の従事者に対する研修の実施
  • 2以上の登録受渡業者に受渡委託をする場合にあつては、受渡委託をする全ての登録受渡業者に対して適正な受渡しの管理を行うために必要な体制の整備、当該体制により管理することが可能な登録受渡店舗の店舗数に関する検証の実施並びに当該検証の結果に基づく受渡委託販売等業務手順書等の作成

Tips:登録受渡業(受渡委託)の許可は有効期間が特殊

この登録受渡業(受渡委託)の許可は、有効期間が少し特殊になっています。

登録受渡業(受渡委託)の許可は、薬局、店舗販売業の有効期間の残りと同じ期間とされています。

つまり、薬局や店舗販売業の有効期間の残りが5年であれば5年、2年であれば2年ということになります。

新規に取得しても6年間有効というわけではない点には注意しておきましょう。

登録受渡業の登録要件(受託側)

次に登録受渡業の受託側の登録要件となります。

委託側は許可でしたが、受託側については登録となっており少し手続きが簡素化されたものとなります。

登録販売業の登録をするためには一定の要件をクリアする必要があります。

登録の要件としては大きく以下の4つに分けられます。

責任者(登録受渡店舗責任者)の設置

根拠法令:薬機法第29条の8第1項、薬機法施行規則第147条の25

登録受渡業を行う店舗にはその責任者となる、登録受渡店舗責任者を設置しなければなりません。

その登録受渡店舗責任者となれる要件は以下のとおりとなっています。

  • 拘禁刑以上の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなつた後、3年を経過していない者
  • ①に該当する者を除くほか、法、麻薬及び向精神薬取締法、毒物及び劇物取締法その他法第5条第3号2に規定する薬事に関する法令で政令で定めるもの又はこれに基づく処分に違反し、その違反行為があつた日から2年を経過していない者
  • 麻薬、大麻、あへん又は覚醒剤の中毒者
  • 精神の機能の障害により登録受渡店舗責任者の業務を適正に行うに当たつて必要な認知、判断及び意思疎通を適切に行うことができない者
  • 登録受渡店舗責任者の業務を適切に行うことができる知識及び経験を有すると認められない者
  • ①~⑤の規定にかかわらず、法第29条の5第8項の規定により同条第1項の登録を受けたとみなされた薬局又は店舗の登録受渡店舗責任者は、当該薬局又は店舗の管理者が担うものとする。

欠格条項の内容から、許可・登録の取り消しに関するものが無くなっていますね。

そして、一番特徴的であることは「資格や学歴要件」が無いという点です。

また、⑥についてのみ少し別枠となっており、薬局や店舗販売業において”みなし登録受渡業”の登録を受けた場合は、その管理者が担うものとされています。

構造要件のクリア

根拠法令:薬機法第29条の5第6項、薬局等構造設備規則第2条の2

構造要件については、薬局等構造設備規則に新設されました。内容について解説します。

  • 一般用医薬品を受渡しにより購入し、又は譲り受けようとする者が容易に出入りできる構造であること。
  • 登録受渡店舗であることがその外観から明らかであること。
  • 換気が十分であり、かつ、清潔であること。
  • 当該登録受渡店舗が常時居住する場所及び不潔な場所から明確に区別されていること。
  • 面積は、おおむね6.6平方メートル以上とし、一般用医薬品の受渡しの業務を適切に行うことができるものであること。
  • 一般用医薬品の受渡しを行う場所にあつては60ルックス以上の明るさを有すること。
  • 開店時間のうち、一般用医薬品の受渡しを行わない時間がある場合には、一般用医薬品の受渡しを行う場所を閉鎖することができる構造のものであること。
  • 受渡しを行う一般用医薬品の性質に応じて必要な貯蔵のための設備を有すること。また、当該貯蔵のための設備は鍵のかかるものであること。
  • 冷暗貯蔵のための設備を有すること。ただし、冷暗貯蔵が必要な一般用医薬品を取り扱わない場合は、この限りでない。
  • 貯蔵設備を設ける区域が、他の区域から明確に区別されていること。
  • 一般用医薬品の受渡しを行うための設備を有すること。
  • 一般用医薬品を陳列する場合には、受渡しを行う一般用医薬品を、鍵をかけた陳列設備その他一般用医薬品を受渡しにより購入し、若しくは譲り受けようとする者又は一般用医薬品を受渡しにより購入し、若しくは譲り受けた者若しくはこれらの者によつて受渡しにより購入され、若しくは譲り受けられた一般用医薬品を使用する者が直接手の触れられない陳列設備に陳列すること。
  • 一般用医薬品を受渡しにより購入し、若しくは譲り受けようとする者又は一般用医薬品を受渡しにより購入し、若しくは譲り受けた者若しくはこれらの者によつて受渡しにより購入され、若しくは譲り受けられた一般用医薬品を使用する者が、当該登録受渡業者に受渡委託をする薬局又は店舗との連絡を行うための設備を有すること。
  • 登録受渡店舗が、当該登録受渡業者に受渡委託をする薬局又は店舗との連絡を行うための設備を有すること。

読みにくいためものすごく簡素化して解説しますと以下の観点について要求されています。

  • 「基本構造・環境」
  • 「保管・陳列」
  • 「受渡し・連絡」

他の許可などと同様構造については自治体によって追加の要求事項がある場合が多いため、まずは図面等を持参し相談しにいきましょう。

体制要件のクリア

根拠法令:薬機法第29条の5第6項、薬局等体制省令第3条

体制要件に関しては、薬局等体制省令第3条に新設されました。

(元々配置販売業の体制要件が第3条にありましたが、登録受渡業が第3条に、配置販売業が第4条という構成に変わっています。)

  • 受渡しを行う時間内は、常時、登録受渡店舗責任者又は登録受渡店舗責任者が指定する当該登録受渡店舗の従事者が勤務していること。
  • 受渡しを行う時間内は、一般用医薬品を購入し、若しくは譲り受けようとする者又は一般用医薬品を購入し、若しくは譲り受けた者若しくはこれらの者によつて購入され、若しくは譲り受けられた一般用医薬品を使用する者から相談があつた場合に、当該登録受渡業者に受渡委託をする薬局又は店舗の受渡管理者に連絡ができる体制を備えていること。
  • 受渡業務手順書において定めた手順からの逸脱が生じた場合、保健衛生上の危害の発生の防止のために必要な場合その他の登録受渡店舗における一般用医薬品の受渡しに関し登録受渡店舗責任者から受渡管理者に対し連絡を行うことが必要な場合に、登録受渡業者に受渡委託をする薬局又は店舗の受渡管理者に連絡ができる体制を備えていること。
  • 受渡しに関する業務に係る適正な管理を確保するため、登録受渡業者に受渡委託をする薬局開設者又は店舗販売業者との契約書及び受渡業務手順書に基づく業務の実施、受渡管理者への業務の実施状況に関する必要な報告の実施、従事者に対する研修の実施その他必要な措置が講じられていること。
  • 受渡しを機械のみの操作により行う設備を用いて受渡しを行う場合には、受渡しを行う時間内は、常時、登録受渡店舗責任者又は登録受渡店舗責任者が指定する当該登録受渡店舗の従事者が速やかに受渡機械設備の動作の不良に対処できる体制を備えていること。
  • 登録受渡業者が講じなければならない措置には、次に掲げる事項を含むものとする。
    • 受渡しを行う時間内に常時勤務する者その他の受渡しを行う従事者の特定並びにこれらの者の氏名及び勤務時間の記録
    • 従事者から登録受渡店舗責任者への報告、登録受渡店舗責任者から登録受渡業者及び当該登録受渡業者に受渡委託をする薬局又は店舗の受渡管理者への報告並びに相談に係る体制の整備
    • 受渡委託を受けて貯蔵する一般用医薬品の貯蔵設備を設ける区域に立ち入ることができる者の特定
    • 2以上の薬局又は店舗から受渡委託を受けた場合にあつては、受渡委託をする薬局又は店舗との契約ごとに、前項各号に定める体制に関する基準の遵守及び前三号に掲げる措置の実施

こちらについても読みにくいため簡潔に要求されている事項をまとめますと、

  • 「人員体制・機器対応」
  • 「委託元(受渡管理者)との連絡体制」
  • 「業務の適正管理・安全確保措置」

となります。

Tips:薬局・店舗販売業許可を受けている場合は”みなし登録”となる

根拠法令:薬機法第29条の5第8項

既に薬局や店舗販売業の許可を受けている場合は受託側の登録は必要になるのでしょうか。

いいえ、そういうわけではありません。

”みなし登録”により、登録手続きを行う必要はありません。

しかし、実務的に考えると、行政になにも相談せずに登録受渡業を開始はせず相談した方がよいかとは考えます。

登録受渡業(受託側)と薬局・店舗販売業(委託側)との関係(委託のルールなど)

ここまで登録受渡業の概要や委託側・受託側それぞれの要件などについて解説しましたが、登録受渡業においては他の許可などと異なり特異的なものがあります。

ここまでの解説でお察しの方もいるかと思いますがそれは、登録受渡業単独では意味がないということです。

薬局や店舗販売業の場合、その許可を取得すればその薬局や店舗のみで営業できましたが、登録受渡業は単独での営業はできません。

前述の定義でも触れましたが、あくまでも登録受渡業は薬局または店舗販売業からの委託において成立します。

そのため、委託契約に関する事項や定めておく手順書など追加で必要な措置があります。

受渡委託の契約の締結が必要

根拠法令:薬機法施行規則 第15条の11(薬局)、第147条の11の4(準用:店舗)

この登録受渡業については、それぞれ単独で行うことはできず、あくまで委託契約を行った者同士でのみ可能となっています。

その委託契約の内容にも法令で定められており、その内容を反映したものを作成し締結しなければなりません。

法令にて要求されている内容は以下のとおりとなります。

  • 当該受渡委託をする薬局における受渡委託による一般用医薬品の販売又は授与に関する業務(以下「管理薬局業務」という。)に関する事項
  • 登録受渡店舗における受渡しに関する業務に関する事項
  • 当該受渡委託に係る薬局開設者及び登録受渡業者の責任体制に関する事項
  • その他管理薬局業務及び登録受渡店舗業務に関し必要な事項

また、①②については後述する手順書の内容を含めた内容としなければなりません。

手順書の作成が必要

根拠法令:薬機法施行規則 第15条の17・18(薬局)、第147条の11の4(準用:店舗)

委託側、受託側それぞれにおいて作成しなければならない手順書が定めらています。

受渡委託販売等業務手順書(委託側)
  • 受渡委託による一般用医薬品の販売又は授与に関する手順
  • 登録受渡店舗における一般用医薬品の管理に関する手順
  • 前二号に掲げる手順からの逸脱が生じた場合、保健衛生上の危害の発生の防止のために必要な場合
  • その他の登録受渡店舗における一般用医薬品の受渡しに関し薬局開設者から登録受渡店舗責任者に対する指示をすることが必要な場合の薬局開設者から登録受渡店舗責任者への指示に関する手順(広告及び陳列に関する指示に関する手順並びに監査の実施に関する手順を含む)
受渡業務手順書(受託側)
  • 受渡しの実施に関する手順
  • 受渡しを行う一般用医薬品の管理に関する手順
  • 受渡委託をする薬局開設者の指示に基づき登録受渡店舗において受渡しに従事する者が行う業務に関する手順
  • 前三号に掲げる手順に基づく業務の実施に関する受渡管理者への報告に関する手順
  • 前各号に掲げる手順からの逸脱が生じた場合、保健衛生上の危害の発生の防止のために必要な場合その他の登録受渡店舗における受渡しの実施に関し登録受渡店舗責任者から受渡管理者に対する報告及び相談をすることが必要な場合の登録受渡店舗責任者から受渡管理者への報告及び相談に関する手順
  • その他受渡しを適正かつ円滑に行うために必要な手順

これらの内容も前述の契約書に反映しなければならないものであるため優先的に作成する必要があると考えます。

また、分かりやすくするために「委託側」「受託側」と記載しましたが、これら手順書は登録受渡業の登録者側ではなく両者ともに「委託側」が作成することと法令上はなっています。

登録受渡業の登録側においては、法令上は委託側が作成した手順書や契約書を備え付け遵守する構造となっています。

しかし、実務的に考えると受渡業務は受託側が行うものであるため、両者が協議しながら進めていくことになるでしょう。

そして、この「手順書に定める事項」に関しては、あらかじめ変更を届け出る対象とされており、いつでも自由に変更できるわけではないことにも注意しましょう。

受渡業務に関する監査対応

根拠法令:薬機法第15条の11の15第6項

委託側の薬局や店舗販売業において、受渡業務が適正に行われているか監査しなければならないとされています。

また、受託側においてはその監査対応に応じなければなりません。

この監査について、具体的な内容は法令や通知では現段階では示されていませんが、受渡業務手順書が適切に実施されているかの確認を、どのような方法でどの時期に行うのかなどを定めておくとよいかと思われます。

登録受渡業で想定されるモデル

登録受渡業におけるモデルはイメージが沸きにくいかもしれません。

ここで想定される登録受渡業のモデルを大きく2つに分けて紹介したいと思います。

自動販売機を用いたモデル

まず想定されるモデルのひとつめは自動販売機を用いたモデルです。

ただし、自動販売機といっても一般的に想像する飲料などの自動販売機とは異なります。

「遠隔でのビデオ通話」が可能な医薬品の自動販売機を利用することです。

自動販売機を用いたモデルでも問題ないことは以下の条文からもうかがえます。

五 受渡しを機械のみの操作により行う設備(以下この号において「受渡機械設備」という。)を用いて受渡しを行う場合には、受渡しを行う時間内は、常時、登録受渡店舗責任者又は登録受渡店舗責任者が指定する当該登録受渡店舗の従事者が速やかに受渡機械設備の動作の不良に対処できる体制を備えていること。

薬局並びに店舗販売業、登録受渡業及び配置販売業の業務を行う体制を定める省令 第3条

自動販売機を用いたモデルの流れの例としては、

  • タッチパネル等で医薬品を選択し、薬剤師・登録販売者を呼び出す
  • ビデオ通話を用い、使用上の注意等の説明を受ける
  • 自動販売機で決済を行う

が考えられます。

登録受渡店舗での対応は、上記の条文からも分かるとおり自動販売機が動作不良を起こした場合に対応することが主となるでしょう。

公式LINE・SaaSを用いたモデル

次に公式LINEやSaaSを用いたモデルです。

公式LINEやSaaSにて、使用上の注意の説明、決済などを行い、店舗では店員やロッカーから受け取るといったモデルです。

流れとしては以下のようなものが考えられます。

  • 公式LINE・SaaSなどで、使用上の注意、決済などを行う
  • 受渡店舗にて店員が確認し、ロッカーやバックヤードから受渡を行う。

公式LINEやSaaSと連携しているロッカーを使用する場合や、バックヤードから店員が受け渡す方法なども考えられます。

Tips:実際の手順を手順書に落とし込むこと!

上記のような受渡に関わる業務の手順を、手順書に落とし込む必要があります。

この手順には正解はありません。

実際に行う手順を文書化し、手順書として整備し、それをみれば誰でも行えるようにしなければなりません。

自販機を使用するのか、バックヤードから渡す方法にするのか、利用者への説明等は公式LINEを利用するのか、SaaSを利用するのかなどを決め、実際の手順を構築します。

登録受渡業で押さえるべき注意点

登録受渡業における注意点をいくつか抜粋して解説します。

ここで解説する内容は以下の3点です。

委託契約が可能なエリアは同都道府県内のみ

根拠法令:薬機法施行規則第147条の14

登録受渡業においてどこのエリアでも委託契約ができるわけではありません。

受渡しを行おうとする店舗が、受渡委託をする薬局又は店舗と同一の都道府県の区域内に所在すること。

とされています。

つまり、東京都にある薬局から委託を受ける場合は、登録受渡業の店舗は東京都になければなりません。

愛知県の薬局から東京都の登録受渡業の店舗には委託ができないということですね。

登録受渡業で扱える医薬品は一般用医薬品のみ

冒頭の定義でも触れましたが、登録受渡業で扱える医薬品は一般用医薬品のみとされています。

つまり、薬局からの委託であっても、処方箋医薬品や薬局製造販売医薬品、要指導医薬品は扱えません。

同様に店舗販売業からの委託であっても、要指導医薬品は扱えません。

委託側で扱える医薬品の範囲と、登録受渡業側で扱える医薬品の範囲が異なることには注意してください。

登録受渡業者が自ら広告をしてはならない

根拠法令:薬機法施行規則147条の27第6項

登録販売業者が自ら広告をしてはならないとされています。

登録受渡業者は、当該登録受渡業者に受渡委託をする薬局開設者又は店舗販売業者から指示がある場合を除き、当該薬局開設者又は店舗販売業者が行う当該受渡委託による一般用医薬品の販売又は授与について広告をしてはならない。

薬機法施行規則147条の27第6項

あくまでも、委託元の薬局や店舗販売業者から指示があった場合のみ広告が可能とされていることには十分ご注意ください。

その他にも遵守事項は、同条(薬機法施行規則147条の27)等にありますので必ずご確認願います。

登録受渡業を始めるなら行政書士へ相談がおすすめ

2027年5月の薬機法改正に伴い新設される登録受渡業を導入するには、法制度への対応や行政手続きが求められます。

自社のみで運用を進めると、要件の誤認や申請の遅延といったビジネス上のリスクが生じる可能性があります。

薬機法に精通した行政書士のサポートを受けることで、スムーズに新事業をスタートさせることができます。

法改正の概要と要件の整理

登録受渡業を始めるには、従来の店舗販売業とは異なる規制や施設基準を理解する必要があります。

行政書士が法改正の全体像を分かりやすく整理し、自店舗のレイアウトや営業形態が基準を満たしているかをチェックします。

これにより、法令違反のリスクを未然に防ぎ、無駄のない事前の準備が可能になります。

国家資格者としての書類作成・申請代行

都道府県へ提出する登録申請書類や、求められる各種業務手順書の作成は法知識を要します。

行政書士が事業者様に代わって必要書類を作成し、行政窓口との事前協議や申請手続きを円滑に進めます。

書類の不備による再提出や開業遅延のリスクを削減し、スムーズな事業開始を実現します。

実務に即した法務サポート

同一都道府県内の委託元薬局との契約締結や、法務面の確認作業は事業の成否を分ける重要なポイントです。

行政書士が法的観点から委託契約の内容や日々の運用体制をバックアップします。

専門的な法的トラブルを防止し、安心して継続できる強固な店舗運営の土台作りをトータルでサポートします。

ほむら行政書士事務所の料金体系

当事務所の医薬品に関連する料金体系は以下のとおりとなっています。

相談は初回60分無料となっていますのでお気軽にご相談ください。

項目料金(税抜き)
 製造販売業 (第一種)450,000
 製造販売業 (第二種)350,000
 GQP・GVP手順書作成サポート100,000
 製造業 (生物学的製剤等・放射性医薬品・無菌医薬品・一般)300,000
 製造業 (包装、表示、保管)250,000
 GMP手順書作成サポート100,000
 販売業 (店舗販売業)200,000
 販売業 (配置販売業)150,000
 販売業 (卸売販売業)200,000
 登録受渡業の許可(委託側)(2027年5月改正事項)要見積もり
 登録受渡業の登録(受託側)(2027年5月改正事項)要見積もり
 品目承認要見積もり
 外国製造業者認定等要見積もり
 輸入確認証要見積もり

別途申請手数料などがかかります。

\ 24時間受付中・お見積り無料 /

※お見積り後のキャンセルも可能です。
無理な営業は一切いたしませんのでご安心ください

登録受渡業に関する質問

登録受渡業で、一般用医薬品の「販売」や「情報提供」はできますか?

できません。

登録受渡業はあくまで「医薬品の引渡し(受渡し)」のみを行う制度です。

販売契約の締結や専門家による情報提供・相談対応は、委託元である薬局や店舗販売業が責任をもって行う必要があります。

登録受渡業者として登録すれば、全国どの薬局からでも受渡しの委託を受けられますか?

いいえ、受けられません。

委託契約を締結できるのは、原則として登録受渡店舗と同一の都道府県内に所在する薬局または店舗販売業者に限られます。

卸売販売業や配置販売業から受渡し業務を委託されることは可能ですか?

できません。

受渡委託の委託元となれるのは「薬局開設者」および「店舗販売業者」のみであり、卸売販売業や配置販売業からの委託を受けることは不可とされています。

登録受渡店舗の責任者(登録受渡店舗責任者)になるには、薬剤師や登録販売者の資格が必要ですか?

資格は必須ではありません。

欠格条項に該当しないことや適正に業務を行える知見等があることが求められますが、薬剤師・登録販売者の資格要件自体は原則提示されていません。

(ただし、薬局や店舗販売業が「みなし登録受渡業」を行う場合は、その管理者が兼ねることになります)。

薬局や店舗販売業側が登録受渡業者へ委託を始める場合、どのような手続きや設備が必要ですか?

事前に「受渡委託」の許可を取得する必要があります。

また、受渡管理者の設置、遠隔管理・連絡用の通信設備の導入、業務手順書(受渡委託販売等業務手順書・受渡業務手順書)の作成・備え付け、さらに委託先への定期的な監査体制の整備が必要です。

薬局の管理者(または店舗管理者)が「受渡管理者」を兼務することはできますか?

薬機法上、原則として他の店舗の管理者との兼務をはじめ、自局、自店舗の管理者との兼務は禁止されています。

施行前ですが相談してもよいですか?

問題ありません。

しかし施行前であり行政側に対応いただけない可能性もあるため、進捗が芳しくない可能性はあります。

登録受渡業とは?要件や薬局・店舗販売業との関係を解説【まとめ】

  • 2027年5月施行の改正薬機法により導入される「登録受渡業」は、一般用医薬品の「受取専用窓口」として機能する新たな制度
  • 登録には欠格条項非該当、店舗責任者の設置、面積や鍵付き貯蔵設備などの構造要件および人員・連絡体制のクリアが必要
  • 委託元となれるのは薬局および店舗販売業のみであり、受渡店舗と同一都道府県内に所在する場合に限り委託契約が可能
  • 薬局や店舗販売業側も事前の受渡委託許可の取得、受渡管理者の設置、各種手順書の作成や監査体制の整備が必須
  • 登録受渡業者は原則として自ら広告を行うことが禁止されており、委託元の指示がある場合のみ例外的に認められる仕組み

登録受渡業の許可申請や、薬局・店舗販売業における受渡委託の手続き・体制整備でお悩みではありませんか?

構造要件の確認や手順書の作成、行政との事前協議など、薬機法専門の行政書士がスムーズな事業展開をサポートいたします。

「まだ依頼するかどうか決まっていない」という段階のご相談や、制度に関する疑問なども大歓迎です。

無理な営業は一切いたしませんので、まずはどうぞお気軽にお問い合わせください。

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